多くの人にとって憧れの職業であるCA(キャビンアテンダント、客室乗務員)は、実はとても過酷な仕事。実務に就くまでには数々の訓練を受ける必要があります。 ここでは、CAになるために受ける訓練についてご説明します。
キャビンアテンダントに採用されたたら、訓練スタート
キャビンアテンダントとして採用されたら、すぐに乗務ができるというわけではありません。まずは約20人ずつのクラスに分けられ、飛行機に乗務するためのスキルを身に付ける訓練を始めます。この訓練をする期間は航空会社によっても違いますが、国内線で約2カ月間、国際線だと約3カ月間ということが多いようです。訓練は必ずしも4月から開始されるというわけではなく、クラスごとに1カ月ずつずらしてスタートするという会社もあるようです。
地上訓練で接客から緊急時の対応までしっかり学ぶ
キャビンアテンダントの訓練内容も航空会社によって違いはありますが、多くの場合まずは地上での訓練を受けます。この内容は、大きく分けて「サービス訓練」と「保安訓練」の2つがあります。 「サービス訓練」はその名のとおり、機内でのサービスを訓練するものです。訓練の内容は主に、機内食や飲み物の提供方法や機内アナウンスなど。訓練生がお客様役とキャビンアテンダント役に分かれ、トレーの持ち方やドリンクの置き方など細かいところまでシミュレーションをします。さらにお辞儀の仕方や美しい姿勢、メイクの方法、自然な笑顔の作り方などさまざまな訓練が行われます。 もうひとつの「保安訓練」は緊急時に的確な判断をし、お客様の安全を確保して速やかに誘導するための訓練です。内部まで本物そっくりに作られた機体の一部が置かれた訓練センターで、実際に事故が起きたときの避難誘導をシミュレーションするなど、不測の事態に備えるためのさまざまな訓練をします。またこういった実技訓練のほかに、座学の訓練もあります。飛行機の安全に関する知識や急病のお客様への応急処置の方法など、保安に関する幅広い内容を短期間で習得しなければならないため、苦労する人も多い厳しい訓練です。
地上訓練を終えたら実機でのOJT!初めてのフライトを体験
地上訓練を修了したら、今度は実機でのOJTが数日間に渡って行われます。フライトに搭乗して、実際に実務をこなしながら地上訓練で学んだことを、現場で実践できるようにする訓練です。インストラクターからマンツーマンで指導を受け、細かいところまでチェックされるので、地上訓練のときよりもかなり緊張するかもしれません。この緊張の中で行われる訓練を無事に合格すると、晴れてキャビンアテンダントとしてデビューできるようになります。 キャビンアテンダントになると配属先も決まり、そこを拠点として本格的に乗務に就くことになります。しかしキャビンアテンダントは、その後もスキルアップが必要となります。多くの場合、まずは保安の装備や構造が異なる飛行機の機種で乗務できる「機種乗務員資格」を取得し、搭乗できる便で実務経験を重ねながら、各機種の乗務員資格を取るための訓練も行っていくことが多いです。そして基本的には国内線のフライトから始め、その後、国際線フライトにも乗務していきます。キャビンアテンダントになってからも学ぶことはたくさんあるようですね。