2020年、世界中を襲った新型コロナウイルスの影響は、ホテル業界にも大きな波紋を広げました。4年が経過した現在、コロナは少しずつ収束を迎え、「アフターコロナ」と呼ばれる時代を迎えました。皆さんも、街や商業施設に活気が戻り、旅行者が増えてきていることを実感していることでしょう。
とは言いつつも、
「ホテルに就職したいけど、本当に就職してこの先大丈夫なんだろうか…?」
「今後のホテル・観光業界はどうなるんだろう?」
このように、就職やホテル業界そのものの将来に対する不安を抱いている方も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、ホテル業界がどのように変化していくのか、そしてその変化に備えるために必要な施策についてご紹介します。
ホテル業界の現状
2023年ごろから規制緩和が始まり、少しずつ日常が戻ってきています。
コロナ禍に陥り、一時は業界全体で非常に厳しい経営状況に追い込まれていました。次々と倒産していく飲食店のニュースは記憶に新しいですが、ホテル業界はその次に倒産が多かった業界とも言われています。
その後2年の時を経て、2022年、渡航や生活自体の規制が緩和され始めました。マスクの着用は個人の自由となったときのニュースも今や懐かしく感じますね…。
そして国内外問わず旅行需要が徐々に復活の兆しを見せ、2023年の訪日外国人旅行者数・出国日本人数は2015年の基準まで回復しましたが、ピークだった2019年ごろの人数にはまだ戻っていないのが現状です。
▶参考:【国土交通省観光庁】令和5年の訪日外国人旅行者数・出国日本人数
しかし、今後も同じ状況が続けば数年以内にはピーク時まで回復する見込みと言われています。
となると、次の課題となってくるのが、
「一度落ち込んでしまったホテル業界をどのように復活させ、新しい時代にどう適応していくか。」
という点。
実はまさに今、業界内でも施策を考え、試行錯誤している最中なのです。
ホテル業界のアフターコロナ時代への適応
新型コロナウイルスの影響により、ホテル業界は大きな変革を迫られています。
数々の規制が緩和され、日常を取り戻しつつありますが、コロナで一変した生活様式や考え方は消えるわけではありません。その一部は新しいスタイルとして人々の間で広まりました。今後も、アフターコロナの生活に馴染んで残り続けていくでしょう。
つまり、ホテル運営でもそれらを取り入れた運営が必要となってくるのです。すでに多くのホテルが、インバウンド・旅行需要の完全復活に向けて動き出しています。
とくに、以下4つのポイントに注目して運営施策を検討と改善を繰り返しています。
01|デジタル化の推進
コロナの流行をきっかけに、世界はさまざまなサービス・仕組みをデジタル化する方向へと大きく変化しました。感染症対策として可能な限り対面や接触を避けるための仕組み化が進んだのです。
元はと言えば感染症感染症対策のためとして進んだデジタル化ですが、企業側・一般消費者側ともに思わぬ副産物を得ることができました。人件費や対応時間の削減、スムーズな予約・金銭のやりとりなど、これまではオフラインでしか対応できないと思われていた数々のサービスを、次々とオンライン化・無人化することに成功したのです。
デジタル化は、今や感染症対策だけではなく、社会全体として必要不可欠となりました。
ホテルの予約やチェックイン手続きなど、できる限り無人化やオンライン化を進めることが求められます。オンライン化を進めることで、お客様の対応や集客など他の業務にコストをかけることもできます。
また、お客様とのコミュニケーションにおいても、LINEなどのSNSやメッセージアプリを活用した情報発信をできるようにすることで、よりスピーディに、かつストレスなくサービスを提供することができます。
ホテル運営に取り入れない手はないでしょう。
02|テレワーク対応設備の整備
デジタル化と併せて非常に増えたのが、テレワークスタイルの普及です。
コロナ禍以前はあまり一般的ではなかった在宅・テレワークですが、コロナ流行をきっかけに導入する企業が非常に増えました。現在は、出勤スタイルに戻しつつある企業も多くなってきていますが、それでもコロナ禍以前と比べると「テレワーク」「オンラインでの仕事」へのハードルが下がり、仕事をする場所を柔軟に選択できる機会が増えました。「ワーケーション」という新しい言葉も生まれましたね。
そこで最近増えてきているのが、ホテル側からのテレワークのためのプラン開設・環境整備です。
Wi-Fi環境やデスク周りなど、仕事をするための快適な環境をご準備することで、ただの宿泊だけでなく、日中気持ちよく仕事をしてもらうよう新しい価値を提供するようになってきたのです。
新しく生まれたニーズを的確に捉えて、スピーディに導入する。
これもホテル業界で働く人間として必要なアクションだと言えるでしょう。
03|SDGsへの対応
コロナ禍で、人々の安全意識が非常に高まり、それに伴い以前からも注目されていた「持続可能な観光」がより注目されています。
マクドナルドやスタバといった大企業がプラスチックストローは廃止して紙ストローに移行するなど、私たちの日常にも少しずつSDGsの考えやスタイルが浸透してきています。
ホテル業界でも再利用可能なアメニティの導入や廃棄物の削減、紙のパンフレットのデジタル化、エネルギーの効率的な利用など、環境への配慮が今後ますます重要となってくるでしょう。
04|地域との連携の強化
観光業界では、今まであまり地域の企業との連携が取れておらず、せっかくの観光資源を旅行者に十分に知ってもらうことができていませんでした。
国内外問わず旅行需要が復活してくる中で、一度落ち込んでしまった観光業界をもっと盛り上げていくために、ますます地元の関連企業との連携が必要となってきます。
以前も実施されていた農業の収穫体験や、工場見学なども、各企業と行政が連携しなければいけません。地域と共に成長する取り組みが重要です。
ホテル業界の未来展望
ホテル業界がアフターコロナ時代に向けて取り組むべき施策は多岐にわたりますが、その中には新たなビジネスモデルの構築や顧客との関係性の再構築も含まれています。インバウンド需要の低下は一時的なものかもしれませんが、ホテル業界は常に変化する状況に適応し、柔軟な対応を取ることが求められます。
アフターコロナ時代においても、ホテル業界は人々の生活に欠かせない存在であり続けるでしょう。そのためには、時代のニーズに合ったサービスの提供や地域社会との密接な関係構築が不可欠です。今後もホテル業界の動向に注目し、変化に柔軟に対応していくことが重要です。
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