旅客サービスの仕事といえば、航空機の中でお客様の接客を行うキャビンアテンダントが真っ先に思い浮かぶかもしれません。 しかし、航空機の中だけではなく空港での業務も航空会社にとっては大切な仕事です。この空港内での業務を担当する人のことをグランドスタッフといいます。
グランドスタッフとして空港で働くことのやりがいや魅力
空港には毎日とても多くの人が訪れます。この人達を最初にお出迎えするグランドスタッフは、空港の顔ともいえる存在です。航空会社の代表として良い第一印象を与えられるかはグランドスタッフの腕にかかっています。 また、フライトのスケジュールを遅らせないためにも、空港内での業務は常に時間との戦いになります。ギリギリに来たお客様がいたら、一緒に走って搭乗ゲートまで案内するなんていうこともあります。 このように責任感がありとても忙しい仕事だからこそ、やりがいがある仕事です。お客様から笑顔で感謝の言葉をもらえた時はとても嬉しいに違いありません。 また、空港には世界中からあらゆる職業の人たちがいらっしゃいます。こういった様々なお客様と接することは、他の仕事ではなかなか経験できない貴重な体験です。
グランドスタッフの仕事内容について
グランドスタッフは空港内での接客対応を全て任せられているといっても過言ではありません。搭乗手続きから機内への誘導まで、スケジュール通りにフライトが行えるようスタッフ間で連携を取りながらお客様をご案内します。 まずはチェックインカウンターで、お客様が予約した航空券を発券します。座席の指定や乗り継ぎの案内をし、手荷物を受け取ります。手荷物の中身には持ち込みが禁止されているものや、危険物などがないかしっかりチェックします。もちろん壊れやすい物や精密機械が含まれている場合もあるので、持ち運ぶ際には細心の注意を払います。 フライトの時間が迫ってきたら、お客様を搭乗ゲートまでご案内します。もちろん館内にアナウンスをするだけではなく、搭乗者全員がしっかりゲートまで来ているかの確認も必要です。なかには外国の方や、体が不自由な方もいらっしゃいます。どんな状況であっても時間内に搭乗者全員を機内に誘導しなければなりません。もし時間になっても搭乗ゲートに姿を見せないお客様がいたら、空港内を走って探しまわります。 このようなご案内の他にも、電話の問い合わせ、トラブルや手荷物紛失の対応など様々な仕事があります。 時には、フライトが予定通りに行えないこともあります。その際には、グランドスタッフの対応によって後の便の遅れをどれだけ取り戻すことができるかを計算し、業務のスケジュールを組みなおすことを行うなど、状況に合わせて臨機応変に対応することも求められます。
グランドスタッフの現状と将来性について
最近では、航空券の購入をインターネットで行うという人が増えてきています。またeチケットを使えば、紙の航空券を持たずにスマートフォンで自動チェックインをすることができるので、このような搭乗手続きに関する仕事においてグランドスタッフの必要性は下がってきているのが現実です。 今後、空港内の業務内容を機械化、IT化することがさらに進んでいくと、旅行の手続きはどんどん便利になっていきますが、一方でグランドスタッフの需要は下がっていくかもしれません。 また、LCCといった格安航空会社の出現により、会社間での価格競争も激化しています。このことから人件費削減が各航空会社のテーマになっているのも事実です。 しかし、空港内での様々なお客様や、VIPへの対応、イレギュラーな事案の処理など、人の手ではないとさばくことができない部分も多くあります。このようなことから、これからのグランドスタッフは量より質を求められる時代になっていくでしょう。 高い語学力を身に付けることができれば、日本を飛び出し、海外に活躍の場を広げるということもできます。
グランドスタッフに必要な資格について
グランドスタッフになるには専門卒、大卒以上の学歴が必要です。 また、募集条件として必須とされている資格はありませんが、働いていくうえで英語のスキルは必要不可欠になると思っておいた方がいいでしょう。 これは航空会社でのあらゆる仕事にも共通して言えることでもあり、英語力が高い事は就職の際にとても有利になります。 キャビンアテンダントの募集資格にはTOEIC600点というラインが一般的になっています。なので、同じく接客サービスを担当するグランドスタッフもこのラインを目安としておくと良いでしょう。 また、英語圏以外からも外国のお客様はいらっしゃるので、第二外国語の資格も加えて持っておくことはさらに有利になると考えられます。 また、接客力やマナーがとても大切になる仕事ですので、接客サービスマナー検定といった資格もあると望ましいです。
