なりたい職業ランキング上位にもランクインする「電車の運転士」。
子供の頃一度は憧れた方も多いのではないでしょうか。しかし、電車の運転士というのは、日々多くの乗客の命を預かる仕事。それだけ責任も重く、運転士になるために必要な身につける知識やスキルも少なくありません。
では運転士になるためには、どのような資格やスキル、実務経験が必要なのでしょうか？元運転士としての経験を基に、その道のりを徹底解説します！
運転士の仕事内容
運転士の主な仕事内容は、車両の先頭にある運転室で操縦機器を操りながら、電車を運転することです。ただ電車を動かしているだけに見える運転士ですが、実は
・乗客を安全に目的地まで運ぶこと
・定刻通りに電車が到着・出発すること
この2つが運転士の重大任務であり、これらをこなすためにさまざまな業務を行っています。
運行前の車両点検、ホーム上・信号機・踏切の安全確認、運転中の異常気象や障害物への対応、ダイヤグラムと時計を見比べての運行、緊急時の乗客へのアナウンスなどなど、運行に関わるあらゆる業務を1人でこなします。また、乗客からの問い合わせに対応することもあり、サービス面でのスキルも求められます。
基本的には運転台に入れるのは運転士1人。
毎日何百万人もの命を預かる非常に責任重大な仕事ですが、社会のインフラを担う影響力の大きい仕事でもあり、非常にやりがいのある仕事と言えます。
電車の運転士になるためのロードマップ
そんな、責任重大だけどもかっこいい電車の運転士になるためには、どこを卒業して、どんな経験を積む必要があるのでしょうか。
まず絶対に必要となるのは、当たり前ですが「鉄道会社に現業職として就職して、実務経験を積む」こと。
鉄道会社に入社したらすぐに運転士になれるのかというと、そういうわけではありません。
駅員や車掌を数年経験したのちに、「動力車操縦者運転免許」の試験を受け、合格してからようやく運転士として働くことができます。
必要となる経験年数など、各鉄道会社によって違いはありますが、具体的には以下のような流れで運転士へと成長していきます。
【1】各鉄道会社へ入社、駅係員として勤務（1年〜数年程度）
【2】車掌登用試験を受け、車掌として勤務（数年程度）
【3】国土交通省が指定する「動力車操縦者養成所｣に入所（8〜9ヶ月）
【4】国土交通省が実施する「動力車操縦者試験」を受験
【5】合格後、実習期間を経て、晴れて運転士デビュー
こうした知識習得や厳しい訓練を経て、運転士へとなることができるのです。
運転士になるための資格とスキル
運転士になるためには、国土交通省が認定する「動力車操縦者運転免許」を取得する必要があります。
動力車操縦者運転免許には12種あり、動力車の種別によって分かれています。普通列車や特急列車、モノレールなどを運転することができるのは「甲種電気車免許」という資格です。
また、基本的な鉄道の知識だけでなく、安全管理、故障時の対応、緊急時の避難誘導など、幅広い知識と技術が求められます。
運転士に必要なのは、単に電車を運転する専門技術だけではありません。
乗客の安全を守るための冷静な判断力、正確な操作技術、緊急時に落ち着いて対応できる精神力が求められます。また、日々の運行においては、スケジュール管理やコミュニケーション能力も重要です。乗務中は一人での作業が多いため、自己管理能力も不可欠です。
運転士に向いている人
運転士には、このような人が向いています。
【1】鉄道や電車が好き！
なんといっても鉄道や電車が好きで、深い知識を持っている人です！厳しい訓練や資格勉強、また実務での訓練などハードな場面が多い職種でもあります。それを乗り越えられるのはやはり純粋な「電車が好き！」という気持ちでしょう。
【2】安全意識が高く、責任感が強い人
運転士は日々、何千、何万人という乗客の命を預かる仕事。責任感が強く、安全を何より大事に考えられる人は運転士に非常に向いています。
【3】いつも冷静で正確な判断ができる人
事故や災害時など、たくさんの乗客を安全に誘導し、守る必要があります。緊急時にパニックにならずに対処できる強靭な精神力を持つ人も非常に適しています。
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